刺繍の特色

    蘇州の刺繍は歴史が長い、テクニックが素晴らしい、代々の腕のよい芸術家の工夫に工夫を重ねたおかげで、今地方風格に富み、ユニークな特色を持っている民間工芸美術品になりました。蘇州刺繍は江南絵画の粋を吸収し、伝統的な技法を駆使して創造した美術品であるから、次の特色があります。

一：西洋絵画の透視、明暗、形象の迫真性などの特色を利用したので、出来上がった作品は真に迫って、立体感があること。

二：刺繍の表面は平らでなめらかで、まるで一枚の絵のようであること。

三：ぴかぴかと光り、色彩が艶やかであること。

四：針の目が整然とそろい、輪郭がはっきりしていること。

五：疎らなところと緻密なところのバランスがとれ、行間もムラがないこと。

六：色彩はよく調和しており、濃、淡がはっきりし、適度な色彩感があること。

七：糸の目、筋がすっきりし、曲線も奇麗であること。

八：針の使い方が繊細で、糸も細いこと。

九：デザインの構成がぴたりと合っているので、針の跡が目で見えないこと。