仙道内丹法と道教



仙道内丹法と道教
	道教の養生と修練方法は歴史的にはほぼ３つの段階を経て発展してきました。初期は「導引吐納」や「房中術」（秦以前から漢まで）、中期は「外丹法」と「存神煉気」（魏・晋から唐まで）、後期が主に「内丹法」です（宋・明・清）。　　これらを比較しますと、「内丹法」は理論構造も、実践段階も、それ以前の修練方法の理論よりさらに整い、さらに成熟して、さらに高度なものとなっています。それは「生理」と「心理」の二層の修練に関する理論と方法についてすべて飛躍的に進歩し、人体の性の潜在エネルギーと心理の潜在エネルギーを内側から開発することで「性と命」の双方を修練したからです。　　「内丹法」が整備された結果、晋・唐以後、外丹法の失敗によって深刻な打撃を受けた「道教」に新しい生命煉養のパターンを創設することになり、道教を盛り返すために新しい生命力と活力を注入しました。　　内丹法は、歴史上で中国の最も大きな宗教－道教に特有の信仰体系であり実践体系です。　　「道教」は中国の歴史上に二千年以上も伝わり、中国の伝統文化の形成・発展に大きな影響を及ぼし、その内部構造や構成要素はかなり複雑です。その長い発展の過程で、世界の宗教文化の中でも珍しい多元的な内部構造を形成し、そのために道教はその内部に複雑な信仰体系と多元的な文化機能を持つようになりました。その中には、次のような組成が含まれている。　（１）巫祝文化の系統。　この系統は上古の原始巫術の考え方や実践が源流であり、鬼神崇拝・祈祷・禁咒・符呪・占験・フーチン・降鸞・駆邪などを含んでいます。庶民の間で特に流行し、道教の下層構造の基盤「符水道教」の系統を構成しました。　（２）神仙道教の系統。　この系統は古代の「不死」の観念が長寿の感情と結び付いたものが源流であり、神仙崇拝やさまざまな仙話を含んでいます。その実践方法は各種の「成仙術」と「養生術」であり、主なものに「導引行気」「服食」「房中」の三つの技法の流派があります。この系統の社会的基盤は主に文化階層および上層社会で、道教の上層構造である「丹鼎道教」の系統を構成しています。　（３）老荘思想・信仰の系統。　これは《老子》・《荘子》・《列子》・《関尹子》・《文子》などの道家哲学の学派を主体とする道教理論の系統。その中で、老子はさらに「太上老君」・「太上玄元皇帝」・「三清道祖」などとして奉じられ荘子は「南華真人」などに封じられました。道家哲学は道教の上層部分と理論の核心を構成しました。　（４）神霊崇拝の系統。　この系統は鬼神崇拝が源流であり、後に南北朝の時代に「三清」を中心とする神々の系譜を形成しました。これは道教そのものの宗教神学の標識であり要素です。この系統は雑多な崇拝・儀典・斎戒・禳祈などの行為を含んでいます。　このうち「神仙信仰」は中国の道教に独特の信仰であり、道教の宗教としての最も本質的な特徴であり核心です。「内丹法」はこの信仰の産物であり実践方法です。　個人が仙人に成るという信仰は、多くの道教の信徒にその個人的な修練行為を極めさせる結果をもたらし、道教のその他の宗教活動や社会的な行為と思われるものまで不思議と排斥していきました。　道教の生まれる過程で、その個人的な煉養に関するものを何世紀もかけて整合していったのです。この過程は、実質的には、秦・漢の導引行気・房中・服食の「三大養生術」あるいは仙術の基盤の上に、より完全で系統立った、説得力のある成仙のパタ－ンや行為体系を構築することに努めることでした。そして最終的に一つに結集した最高のものが「内丹法」であり、内丹法の出現と発展は幾つかの面で道教に大きな影響を与えました。


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